我々がカーディガンにたどり着くまでの犬種選びの紆余曲折を説明しよう。
最初に選んだのはボーダーコリー。しかし牧羊犬として名高い彼らは必要な運動量も半端じゃないと聞き、すでに中年の域に入り体力の衰えを否めない我々は断念。
次に選んだのがボストン・テリア。顔がヘチャッと潰れて愛嬌のある犬である。小型ながら性格は非常に穏やか。賢さも申し分ない。もうこれで決まりっ・・と思っていたら、かかりやすいとされる病気がやたらとある事が判明。特に鼻がつぶれている所為か呼吸器系の疾患が多いのだ。
もちろんだからといって100%病気にかかるとは限らないし、生活にほとんど支障の無い軽い病気だってある。丈夫な犬種といえど病気にならない保証もない。しかし、人間の勝手であんな容貌に固定された為に呼吸器系が弱いという宿命を背負わされたボストンちゃんがどうしても闘病していたフェレットのウー・モカと重なってしまう・・。泣く泣く断念。
次の候補はシッパーキー。(スキッパーキーともいうらしい)あまり聞きなれない犬種だが、名前には「小さな船長」という意味合いがあり、昔は船員とともに航海に出て船のネズミ退治などをしたそうである。全身真っ黒でお世辞にも容姿端麗とは言い難いのだが、なんといっても丈夫で長生きなのがこいつの売り。我々が求めていたのはコイツだ!とばかりに入手経路を調べたのだが、非常に希少種で入手困難、しかもバカ高いときたもんだ。え、こんな貧相な犬(シッパーキー愛好家さんごめんなさい!言葉のアヤです)がこんなに高価な値がつくの?
しかし諦めきれない我らはネットでブリーダーや掲示板に当たり、20万円弱(爆)で入手できる所を探した。とあるブリーダーのところにもうすぐ出産予定のシッパーキーがいるらしい。ところが後日、この犬が想像妊娠であった事が判明。がっかりである。もうすぐお迎えできるという期待に水をさされた事もだが、妊娠と想像妊娠の区別のつかないブリーダーに。疑わしければ超音波検査等での判断も可能であろう。妊娠と想像妊娠では必要な食事量も変わるはず。繁殖のプロがそんな管理もきちんとしていないのだろうか。
希少種という事で売り手市場となっており、素人や経験の浅いブリーダーも多いのかもしれない。かといって、そんな人から入手するのも不安だし腹立たしい。そんな訳でシッパーキーも諦めた。
他にブリタニー・スパニエルやコイケルホンディエなども候補にあがったが、猟犬としての類まれな才能を持った彼らを室内飼いの単なる愛玩ペットとして育てるのは何かが違う気がして、止めた。
暗礁に乗り上げた犬種選び。選びに選んだ犬がことごとく玉砕で途方にくれた。そんな時に「コーギー」の名が浮上してきたのである。
実はコーギーは以前にも検討した事がある。賢く、無駄吠えもあまりせず、大きさも手頃でマンションで室内飼いするには最適の犬種だね〜と話していた。しかし、少し前にブームになった事がある。ブームになると「にわかブリーダー」がわんさと出現して、体力的に無理な繁殖や遺伝的疾患を持っている犬の繁殖が平気で行なわれるのが常である。ブームが下火になった頃に弱々しく器量もあまりよろしくない犬が破格値でペットショップにならぶ・・そんな光景を思い浮かべ、一度ブームになった犬種にはいまいち拒絶反応が出てしまうのである。
ところがコーギーには2種類いて、あまりお目にかかれない「カーディガン」という種類は頭数も極端に少なく、ブリーダーも数える程しかいないらしい。知名度の低いカーディガンなら無理な繁殖もさせていないだろうし、もともとショップではなくブリーダーから直に購入する事を考えていた事もあり、信頼の置けるブリーダーも探しやすいと踏んでこの犬種が候補にあがった。
ペンブロークよりも大人しい性格らしい事、ペンブロークよりも一回り大きくなるらしい事・・本当は大型犬を飼いたかった我々に、ペンブロークよりも大型犬っぽいカーディガンがとても魅力的な存在になっていった。